PR
スポンサーリンク

[Cisco]IOS-XEのバージョンアップ計画と手順について丁寧に解説

スポンサーリンク
Cisco
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク
スポンサーリンク

はじめに

Catalyst9000シリーズなどで使用されるIOS-XEのバージョンアップ方法について、Cisco Communityなどに散乱していたため、こちらの記事で整理しておきます。

アップグレードの事前確認

ライフサイクルの確認

まずはバージョン体系やライフサイクルの定義を押さえましょう。

ソフトウェア ライフサイクル サポートに関する情報 - IOS XE
16.xx / 17.xx 以降の Cisco IOS XE ソフトウェアリリースおよび Viptela SDWAN ソフトウェアリリース 19.xx / 20.xx の Cisco IOS XE ソフトウェア サポート タイムライン
ターゲットバージョンの選定

次のドキュメントを参考にして、推奨バージョンのOSを選定するようにしましょう。

Catalyst 9200/9300/9400/9500/9600 プラットフォームの推奨リリース
このドキュメントは、エンタープライズ スイッチング プラットフォーム用の安定したソフトウェアリリースを見つけるのに役立ちます。
ターゲットバージョンOSのリリースノートの確認

次のドキュメントはCatalyst9300で17.12.xのバージョンを使用する場合のリリースノートとなります。使用している製品のリリースノートを確認してください。

  • 新しく追加された機能
  • 制限・制約事項

は最低限確認するようにしましょう。

Release Notes for Cisco Catalyst 9300 Series Switches, Cisco IOS XE Dublin 17.12.x - Upgrading the Switch Software [Cisco Catalyst 9300 Series Switches]
Upgrading the Switch Software

アップグレード手順

前提その1

IOS-XE 17.12.xxまでは検証済みです。それ以降の場合も同様の手順で対応できると思われますが、念のためリリースノートやアップグレード手順について確認するようにしてください。

前提その2

現在のOSバージョン及びターゲットOSバージョンのbinファイルを既に取得済みであること。必要に応じてSMU(Software Maintenance Utilities)のbinファイルも取得してください。

cat9k_lite_iosxe.17.xx.xx.SPA.bin
cat9k_lite_iosxe.17.yy.yy.SPA.bin
cat9k_lite_iosxe.17.yy.yy.CSCwmxxxxx.SPA.smu.bin
SCPを用いたファイル転送の準備

ファイル転送方法はTFTPなどを用いた方法もありますが、SCPを用いた方法をここでは紹介します。

binファイルをbootflashディレクトリへ転送する必要があります。この時に使用するユーザーは特権ユーザー(privilege 15)でなければなりません。必要に応じて特権ユーザーを作成してください。

また、SSHプロトコルを使用した転送を行うため、SSH鍵生成、SSH接続のための設定を行います。

conf t
ip scp server enable
ip ssh source-interface vlan xxx
hostname R1
ip domain-name cisco.com
username admin-user privilege 15 password 0 xxxxxxxxxx ※xには任意のパスワードを入れてください。
crypto key generate rsa
line vty 0 15
transport input all
login local
end
IOS/IOS-XE : TFTP/FTP/SCP を使用したファイル転送
はじめに 本ドキュメントでは IOS、IOS-XE での TFTP、FTP、SCP を使用したファイル転送方法について説明します。 前提条件 このドキュメントでは以下の構成で FTP/TFTP/SCP 等を使いファイルを IOS/IOS-X...
binファイルの転送

binファイルをアップデート対象の機器へ転送します。ここではSCPコマンドを用いて実施します。SCPを用いた転送方法については調べれば直ぐに出てくるので割愛します。

bootflashディレクトリの容量が足りない場合はエラーが発生します。
次のコマンドを投入して不要なファイルを削除します。

install remove inactive
※Do you want to remove the above files? [y/n]と聞かれます。
ファイルの確認

bootflashディレクトリに先ほど転送したbinファイルが全てあること、1GBの容量が余っていることを確認します。1GB余っていないとアップグレードの事前チェックでエラーが発生します。

dir bootflash:
インストールモード移行の可否

IOS-XEでは旧来のbundleモードと呼ばれる方法と推奨方法のinstallモードの2種類があります。後者はbinファイル(zipなどの圧縮ファイルと考えてよい)を解凍してpackageと呼ばれるファイルをメモリ上に展開することでより高速にアップグレードを実現しているようです。

この記事ではinstallモードでアップグレードを行うため、対象の機器のアップグレード方法を確認します。

show boot

BOOT variable = flash:packages.conf; と表示されていれば、インストールモードで動作しています。仮に、上記ではない場合は従来のモードで動作しているため、次のコマンドを流します。

configure terminal
no boot system
boot system bootflash:packages.conf
end
write
show boot
現在のバージョンの確認

次のコマンドを投入して、現在使用している(Activate & Commitとなっている)OSのバージョンを確認しましょう。

show install summary
show version
binファイルの展開

次のコマンドを投入することで、binファイルを解凍して.pkgファイルを展開します。5分前後時間がかかります。

install add file bootflash:cat9k_lite_iosxe.17.yy.yy.SPA.bin

展開が完了すると、.pkgファイルが確認できます。

dir bootflash:
※ディレクトリ内に次のファイルがあれば成功。
cat9k_lite-rpboot.17.yy.yy.SPA.pkg
cat9k_lite-webui.17.yy.yy.SPA.pkg
cat9k_lite-srdriver.17.yy.yy.SPA.pkg
cat9k_lite-rpbase.17.yy.yy.SPA.pkg
アップグレードバージョンのステータス確認[inactive]

次のコマンドを投入して、先ほどインストールしたOSバージョンが表示されること、inactiveであることを確認します。

show install summary
show install inactive
ターゲットOSのアクティベート

次のコマンドを投入することで、再起動後に新しいOSバージョンとなります。

install activate

再起動前にThis operation may require a reload of the system. Do you want to proceed? [y/n]が表示されるので、問題なければyを入力してください。

アップグレードバージョンのステータス確認[uncommitted]

次のコマンドを投入して、ターゲットOSのバージョンが表示されること、active & uncommittedであることを確認します。

show install summary
show install uncommitted

この時点で、rollback timerが作動しており、デフォルトでは2時間です。
activate完了後、2時間以内にcommitをしなければ再起動後に元々のOSバージョンに戻ります。

アップグレードバージョンのコミット

次のコマンドを投入して、ロールバックタイマーを停止してアップグレードプロセスを完了させます。

install commit
アップグレードバージョンのステータス確認[commit]

次のコマンドを投入して、ターゲットOSのバージョンが表示されること、active & commitであることを確認します。

show install summary
show version
SMU版のbinファイルのインストール

SMU版のインストールを実施します。必須ではありません。SMUの修正内容や適用ライセンスを踏まえた上で判断してください。

install add file flash:cat9k_lite_iosxe.17.yy.yy.CSCwmxxxxx.SPA.smu.bin activate commit
SMU版のアップグレードバージョンのステータス確認

次のコマンドを投入して、SMU版のターゲットOSのバージョンが表示されることを確認します。

show install summary

ダウングレード手順

[Cisco]IOS-XEのバージョンダウンの手順について丁寧に解説
はじめにCatalyst9000シリーズなどで使用されるIOS-XEのバージョンダウン方法について、Cisco Communityなどに散乱していたため、こちらの記事で整理しておきます。アップグレード方法はこちら次の記事でアップグレードを行...

参考:NX-OSのアップグレード方法について

[Cisco]Nexus 9000 Series OSバージョンアップ/ダウンの計画・手順について丁寧に解説
Nexus9000シリーズで使用されるNX-OSのバージョンアップに関するTipsを可能な限り詳細・丁寧に盛り込みました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました