はじめに
Nutanixは様々なソフトウェアで構成されています。LCMというツールを使うことで誰でも簡単にダウンタイム無しでソフトウェアをアップグレードできるのは大変便利です。しかし、ソフトウェアがあまりにも多すぎるので、何をどう言った順番でアップグレードすれば良いのかあんまりわからない、と言う方が大半だと思います。知見の整理も兼ねて記事にします。
アップグレードを行う前の流れについて
アップグレードを行うまでの流れは次の通りです。
- 他のソフトウェアやハードウェアとの互換性と相互運用性の確認
- 現在のバージョンから対象のバージョンへのアップグレードがサポートされるか確認
1について、こちらは、my nutanixのサポートポータルから確認することができます。サポート契約結んでいる個人の方はいないはず。
2について、バージョンによっては特定のバージョンに一度アップグレードしてから、更にアップグレードが必要な場合があるからです。こちらも同様にサポートポータルから確認可能です。
また、複数のコンポーネントをアップグレードする場合は、推奨されるアップグレードの順番があります。これについては後ほど細かく見ていきたいと思います。
LCMを用いたアップグレードの流れや順序性について
Prism ElementとPrism Centralで少し違います。ここでは【共通】、【PC】、【PE】の3つで区別させてください。
作業順序としては【共通】→【PE】→【PC】の流れとなります。
【共通】
- LCM Inventoryを実行します。すると、自動的にLCMが最新バージョンへアップデートされます。その他のソフトウェアはアップグレードされません。
- 次にNCC(Nutanix Cluster Check)を最新バージョンへアップグレードします。
- 最後にNCCを実行してクラスターの正常性を確認します。
- その後、必要なソフトウェアをアップグレードします(後述)
つまり、LCMのアップグレード(強制的に最新バージョンへアップグレード)、NCCのアップグレードが一番初めにすべきことになります。PCとPEのアップグレードを同時に行う場合はPEのアップグレードを優先してください。
【PE】
- 前回のLCM Inventoryの実行から24時間経過している場合は再度実行します。
- Foundationをアップデートします。Foundationアップデートに伴い、バンドルされているFoundation Platformもアップデートされます。
- Cluster Maintenance Utilitiesのアップグレードを実施します。基本的にアップグレードすることがほとんどないはずですが。
- AOSのアップグレードを行います。1台当たり凡そ15-20分程度かかります。
AOSのアップグレードに伴い、一時的にAHVのバージョンがAOSと互換性がなくなる可能性がありますが仕様のため問題ありません。 - 緊急を要するfirmwareのアップデートを行います。そうではない場合はアップデートしないことが推奨されています。
- AHVのアップグレードを行います。AHVは基本的にはAOSにバンドルされているため、先ほど述べたように互換性が合わなくなる場合があります。速やかにアップグレードしましょう。1台当たり凡そ30-45分程度かかります。
- 再度、LCM Inventoryを実行し、firmwareのアップデートを実施します。1台当たり凡そ20-90分程度かかります。
- さらに再度、LCM Inventoryを実行し、残りの全てのソフトウェア(Filesなど)をアップグレードします。
- 全てのソフトウェアのアップグレードが完了したら、最後にNCCを実行し、正常性を確認します。
これでPrism Elementのソフトウェアのアップグレードが完了しました。
次にPrism Centralのアップグレードを行います。
【PC】
- Prism Centralのサービスソフトウェア(Self-Service、Files、Nutanix Kubernetes Environment、objects、その他のソフトウェア)のアップグレードを実行します。
【その他】
- witness VMはAOSやPCのバージョンと相互依存性はないので、好きなタイミングでアップデート可能です。
- LCMを用いたアップグレードが推奨されます。
- 一番初めにfirmwareをアップデートすることは推奨されません。
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