はじめに
デスクトップPCで検証環境を用意したいと思っている方向けに、可能な限り予算を抑えて最大スペックとなるようにPC部品を選定しました。
想定する読者
・PCで仮想化環境を用意したい方
・Vmware ESXiを使用した演習環境を用意したい方
・Nutanix CEを3ノードで用意したい方
・EVE-NGを用いた大規模なNWの演習環境を用意したい方
構築する仮想化環境について
VMware Workstation ProでVMware ESXiを構築して、仮想化環境を準備します。
以下の記事で構築方法やダウンロード方法が解説されています。

さらに、Nestedな環境でNutanix CEを3ノード構成で構築することも可能です。
構築方法は以下の記事を参考にしてください。

ストレージについて(一般論)
自作PCにおけるストレージは、システム全体のパフォーマンス、応答性、そして使用感に大きく影響する重要な要素です。ここでは、用途に応じたストレージ選びの観点と、各ストレージ技術の特徴について詳しく解説します。
ストレージの役割
ストレージは、OS、ソフトウェア、ゲーム、データファイルなど、すべての情報を長期的に保存する場所です。ストレージの性能は、PCの起動速度やアプリケーションの読み込み、ファイル転送速度などに直結します。したがって、利用目的に合わせたストレージ構成の選択は、全体の使用感に大きな影響を与えます。
主なストレージの種類と特徴
ストレージは大きく分けて、主に以下の3種類があります。
HDD(ハードディスクドライブ)
- 大容量&低コスト: 大容量のデータ保存が安価に実現できます。
- 機械式: 回転ディスクを用いているため、読み書きの速度はSSDと比較して遅く、振動や衝撃に弱い傾向があります。
- 用途: 大量のデータ保存、バックアップ用途、メディアファイルのアーカイブなどに適しています。
SATA SSD
- 高速アクセス: HDDと比べて読み書き速度が大幅に向上し、OSの起動やソフトウェアの起動が非常に速いです。
- 静音性: 機械的な部品がないため、動作音が静かです。
- 用途: OSやよく使うアプリケーションのインストール、ゲームのストレージとして最適です。
- コスト: HDDに比べると容量あたりのコストは上がるものの、価格と性能のバランスが取れています。
NVMe SSD(PCIe接続のSSD)
- 最速性能: PCIeバスを利用するため、SATA SSDよりもさらに高速な読み書き速度を実現します。
- 小型フォームファクター: 主にM.2スロットに搭載されるため、PC内部のスペースを効率的に使えます。
- 用途: 極めて高速なデータ転送が求められる場合(例えば、大容量動画編集や高速キャッシュ用途など)に適しています。
- 価格: 同容量のSATA SSDと比べるとやや高価なケースが多いですが、性能面で大きなメリットを享受できます。
ストレージの構成と使い分け
多くの自作PCでは、以下のような使い分けが一般的です。
- OSおよびアプリケーション:
起動速度やレスポンスを重視するため、SATA SSDまたはNVMe SSDを使用します。 - データ保管・バックアップ:
大容量かつ低コストを求める場合はHDDを利用し、動画、写真、音楽ファイルなどの保存に適用します。 - ハイブリッド構成:
OS・アプリケーション用に高速SSDを搭載しつつ、大容量データ保管用にHDDを用いることで、速度と容量のバランスを取りながらコストパフォーマンスを高める構成が人気です。
考慮すべきポイント
自作PCで最適なストレージを選ぶ際には、下記の点に注意してください。
- 容量:
使用目的(OS用、アプリ用、データ保存用など)に合った容量を確保すること。高速SSDは容量単価が高いため、必要な部分とそうでない部分とを使い分けると効果的です。 - 速度:
起動速度やファイルの読み書きが重要な場合は、NVMe SSDのような高速ドライブを選ぶと、システム全体のパフォーマンスが向上します。 - 耐久性・信頼性:
SSDの耐久性(TBW: 書き込み可能な総データ量)やHDDの稼働時間、故障率など、信頼性に関する評価も重要です。 - コスト:
予算内で最適な性能と容量を実現するためのバランスを考慮しましょう。複数ドライブを組み合わせることで、コストパフォーマンスを最大化できます。 - フォームファクター:
自作PCケースやマザーボードの対応状況(2.5インチ、3.5インチ、M.2など)を確認し、物理的な互換性にも注意が必要です。
ストレージについて(管理人の意見)
ディスクはHDD以外を選ぶことをおすすめします。SSDとHDDではI/O性能に大きな違いがあり、SSDとNVMeを比較すると、NVMeの方が約3~4倍の性能向上が期待できます。
これにより、ディスクI/O起因で仮想化環境のパフォーマンスが低下することを防止できます。また、ディスクの規格にはGen3、Gen4、Gen5があり、数字が大きいほど性能が高くなります。
ここ最近、NVMeとSSDの価格差がほとんどなくなっているため、NVMeを使用することを強くおすすめします。
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