はじめに
ストレージコンテナーを作成・更新する際にadvanced settingsという項目があります。
そこで設定することが可能な2つの設定値について解説します。
その前に、ストレージプールとストレージコンテナーについて解説します。
ストレージプールとは
Nutanixのクラスターに存在するPCIe SSD、SSD、HDDなどのディスクを全て束ねて1つのディスクに見せかけたものがストレージプールとなります。
複数のNutanix Nodeに拡張し、クラスターのスケールに応じて拡張することが可能です。
ストレージプールはクラスターにつき1つのみ作成することが推奨されています。デフォルトで1つ作成されています。
ストレージコンテナとは
ストレージプールを使用するにはコンテナという形で切り出す必要があります。デフォルトでは以下の3つが作成されています。
Nutanix Management Share
Nutanix FilesやSelf-Service Portalのファイルストレージ、将来のアップグレードやその他オペレーション用途で使用されます。vDisk用のストレージとして使用することを意図したものではありません。vDiskとして使用するストレージはDefault-Containerを使用します。
SelfServiceContainer
イメージサービス機能で使用します。イメージのアップロード先として使用することが想定されます。
Default-Container
VMで使用するvDisk用のストレージとして使用します。
ストレージコンテナに関する補足
- updateで表示されるダイアログボックスではストレージコンテナの名前の変更はできません。CLIのみ可能です。
- ストレージコンテナがvDiskを保持している場合には名前の変更はできません。
- 一度設定すると、Replication Factorの値は更新画面で変更できません。CLIのみ可能です。
- 圧縮ポリシーを圧縮から非圧縮にした場合、ストレージコンテナーのデータはバックグラウンドプロセスとして非圧縮されます。
もし、とあるストレージコンテナーで誤ってvDiskを払い出してしまった場合、ストレージコンテナー間のvDiskのマイグレーションを行うことが可能です。詳しくは次のドキュメントを確認してください。
デフォルト以外で作成されるストレージコンテナ
次の二つのストレージコンテナーが作成されます
- Files構築時に作成されるFiles専用のストレージコンテナ
- Micro Service Platformを有効化した場合に作成されるストレージコンテナ
※Prism Centralの機能です。calm-UUIDと言う名前です。
reserved capacity、advertised capacityの概要
reserved capacity:他のストレージコンテナに占領されないよう予め確保するデータ量
advertised capacity:ストレージコンテナの容量の上限
丁寧に解説
ストレージプールに複数のストレージコンテナがある場合、1つのストレージコンテナが無制限にデータを使用することで他のそれの容量を食いつぶす可能性があります。
それを防ぐためにも、「最低限これだけは容量を確保しておく」ために使用する機能がreserved capacityとなります。
また、とあるストレージコンテナでは最大xxGBまで使用することができるようにするなど、細かな要件がある場合にはadvertised capacityを使用します。
使うケースがあるとすると、同じNutanixクラスターを複数の別チームで管理しており、AというチームではAというコンテナを、BというチームではBというコンテナを使用するという要件がある場合でしょうか。お互いのチームが必ず使える容量を事前に確保し、また他のチームの容量を食いつぶさないように上限を設けるといった使い方です。
補足
- Nutanixからは1つのストレージプールにつき1つのストレージコンテナを使用することが推奨されています
※おそらく、デフォルトで作成されているNutanix Management ShareとSelfServiceContainerは除いて、という意味です。今回紹介した機能は1つのストレージプールに2つ以上のストレージコンテナーを使用する場合にのみ設定する機能となります。 - 90%以上を1つのストレージコンテナのために予約することはできません。
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