はじめに
Nutanixでは、簡単にsnapshotを取得することができて便利な反面、きちんと仕様を理解していないと過剰なストレージ消費につながります。
この記事では、保護ドメインやスナップショットの種類について整理することで、なんとなくで使用してしたスナップショット機能や注意点について理解を深めていきたいと思います。
注意事項
あくまでも、ブログ管理人が関連ドキュメントを整理したものを掲載しております。そのため、必ず参考に掲載しているドキュメントを確認してください。
snapshotの使用率が異様に高いケース
Prism ElementのダッシュボードのSpace SummaryのView Detailsからトータルのディスク使用量と内訳を確認することが可能です。
この時、Snapshotが異様に多い場合があります。
しかし、VM単位のsnapshot、Protection Domainのsnapshotやacli snapshot.listなどを用いて確認しても、ダッシュボードから確認したsnapshotの使用量と乖離している場合があります。
このような事象が発生した場合、サードパーティ製のバックアップソフトウェアが取得したスナップショットが原因かもしれません。
次に、バックアップに関する用語を整理します。
保護ドメインの種類
ユーザー定義の保護ドメイン
- Prism ElementのProtection Domainから作成可能な保護ドメインのこと
システム保護ドメイン
- UIまたはnCLIには表示されない
- ユーザー定義の保護ドメインに含まれない仮想マシンを保護するために使用されることから、名前にはUUIDが割り当てられる
- スナップショットが作成されると、VM/VGはシステム保護ドメインから削除され、通常の保護が適用されるようになる(?)
スナップショット
Cerebro/DRスナップショット
- Prism ElementのProtection Domainから作成可能な保護ドメインによって作成された、VM・VGを含むスナップショット
- または、システム保護ドメインで作成された、VM・VGを含むスナップショット
バックアップスナップショット
- バックアップソフトウェアによって作成された仮想マシンまたはボリュームグループのスナップショット
- AOSクラスタに一定期間存在し、バックアップデバイスに読み出されて保存
- 有効期限はなし
- スナップショットを削除するのは、作成したバックアップソフトウェアの責任
- 増分または差分バックアップの場合、バックアップソフトウェアはAOSクラスタ上に少なくとも1つのスナップショット(仮想マシンまたはボリュームグループごとに)を保持する必要がある
エンティティ中心型(EC)スナップショット
- Prism Centralから取得可能なスナップショット
- サードパーティ/バックアップスナップショットから取得することも可能
- Nutanix Disaster Recovery(旧Leap)で使用される
- Prism Central > Virtual Infrastructure > Recoverable Entitiesで確認可能
次のコマンドでこのスナップショットの一覧を表示することが可能です。
nutanix@cvm:nuclei vm_recovery_point.list
※Prism Central VMから実行した場合は、登録しているクラスター全てのスナップショットが一覧表示
※Prism Element(CVM)から実行した場合は、所属しているクラスターのスナップショットが一覧表示
ECスナップショットが原因となるケース
Nutanix Disaster Recovery(旧Leap)を使用していないのに、異様にストレージ使用量が多い場合、原因の1つとして、ECスナップショットが大量に存在することが考えられます。
サードパーティのアックアップ製品でバックアップされ、それが既存のProtection Domainの一部になっていない場合は、そのエンティティ(VM・VG)はEC中心型のProtection Domainによって保護されます。
そのため、VMのスナップショット一覧やProtection Domainのスナップショットでスナップショットが存在しないのに、既出のコマンドでsnapshotが表示される場合は、このPDで保護されていることになります。
スナップショットが残っている場合
サードパーティソフトウェアによってトリガされたECスナップショットを削除/消去するには、サードパーティベンダーに問い合わせしてください。
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