はじめに
デスクトップPCで検証環境を用意したいと思っている方向けに、可能な限り予算を抑えて最大スペックとなるようにPC部品を選定しました。
想定する読者
・PCで仮想化環境を用意したい方
・VMware ESXiを使用した演習環境を用意したい方
・Nutanix CEを3ノードで用意したい方
・EVE-NGを用いた大規模なNWの演習環境を用意したい方
構築する仮想化環境について
VMware Workstation ProでVMware ESXiを構築して、仮想化環境を準備します。
以下の記事で構築方法やダウンロード方法が解説されています。

さらに、Nestedな環境でNutanix CEを3ノード構成で構築することも可能です。
構築方法は以下の記事を参考にしてください。

CPUのコア数について(一般論)
CPUのコア数は、自作PCの処理能力や用途に大きな影響を与える重要な要素です。以下、コア数の観点からその重要性について詳しく解説します。
マルチタスクと並列処理能力
現代のソフトウェアは、複数の処理を同時に行えるように設計されることが増えています。各コアは独立して命令を実行できるため、コア数が多いほど、複数のアプリケーションやタスクを同時に処理する能力が向上します。たとえば、動画編集や3Dレンダリング、プログラミング環境での同時コンパイル、さらにはバックグラウンドでのシステム監視やストリーミングなど、複数の作業を効率よくこなすためには、十分なコア数が求められます。
専用アプリケーションでのパフォーマンス向上
最新のクリエイティブソフトウェアやデータ解析ツール、仮想環境の構築など、マルチスレッド最適化されたプログラムは、多くのコアを持つCPUの恩恵を直接受けます。例えば、動画編集ソフトでは、複数のエンコーディングタスクを並行して処理する場合や、3Dモデリングソフトでのレンダリング処理において、各コアが一部分の計算を分担することで全体の処理時間が大幅に短縮されます。
ゲーミング環境と同時配信
かつては、ゲーミングといえば高クロックやシングルスレッド性能が重視されていましたが、近年ではゲーム自体がマルチスレッド化しており、またゲーム配信や録画などを同時に行うユーザーも増えています。こうしたケースでは、余剰なコアがバックグラウンド処理を引き受けることで、ゲームのパフォーマンス低下を防ぎ、よりスムーズな体験を提供できるようになります。
将来的な拡張性とソフトウェアの進化
ソフトウェアの発展と共に、より多くの処理を並列で実施できる環境が整いつつあります。長期的な視点では、将来的にマルチスレッド処理に最適化されたアプリケーションが増えることを考えると、初期投資として十分なコア数を持ったCPUを選ぶことは、システム全体の拡張性や実用性を保つ上でも大事な選択と言えます。
バランスを見極める重要性
ただし、コア数が多いということは、それに見合った熱設計や電力消費、そして場合によってはクロックスピードとのトレードオフも伴います。すなわち、シングルスレッド性能を重視する用途では、必ずしもコア数だけで判断するのではなく、全体的なバランスと予算を考慮する必要があります。例えば、日常的なオフィス作業や軽いウェブブラウジングならば、そこまで多くのコア数は必要ない場合もあります。
CPUのコア数について(管理人の意見)
CPUのコア数(ハイパースレッディングを含む)は、基本的に多いほうが望ましいです。
一般的には、CPUの物理コア数とvCPU数の比率は1:4以内に抑えることが推奨されます。たとえば、物理コアが10個のCPUの場合、最大で40個のvCPUを割り当てることが望ましいとされています。これ以上の割り当てを行うと、必要なときにCPUリソースが不足し、CPU Ready状態が頻発してパフォーマンスが低下する恐れがあります。
商用環境やパフォーマンス検証を目的としない場合は、そこまで厳密に気にする必要はありません。
しかし、たとえばNutanix CEを3ノード構成で構築する場合、CPUの性能不足によりクラスターの構築がいつまでも完了しないという事態が発生することがあります(経験談)。
また、ネットワーク機器を仮想化環境で起動する場合、CPUの性能が起動時間に直結することが確認されています(経験談)。たとえコストを抑えたいとしても、起動に数十分かかる環境は学習用途として適していないだけでなく、経費削減のために十分な機能が確保できないのであれば本末転倒です。
以上の理由から、CPUにはコア数の多いモデルを推奨します。
お勧めのCPU
デスクトップPC向けのCPUには、ハイパースレッディングを含めて最大32コアの製品が販売されています。以下の候補から、お好みのものを選ぶとよいでしょう。なお、AMDの少し古い世代のCPUは、ハイパースレッディング(HT)を含むと32コアとなり、最もコストパフォーマンスに優れています。
Intel
intel 第14世代 CPU Core i9-14900KF (アンロック版・GPU機能なし) 24コア/32スレッド 最大周波数 6.0GHz LGA1700 日本国内正規品 BX8071514900KF

費用: \69,678(2025/6現在)
intel 第14世代 CPU Core i9-14900K (アンロック版・GPU機能付き) 24コア/32スレッド 最大周波数 6.0GHz LGA1700 日本国内正規品 BX8071514900K

費用: \70,980(2025/6現在)
【Amazon.co.jp限定】 Intel CPU Corei9 14900KF 第14世代 24コア(8P+16E)/32スレッド 6.0GHz 【代理店保証1年付/国内正規代理店品】 BX8071514900KF/AZ

費用: \79,280(2025/6現在)
AMD
AMD Ryzen™ 9 5900XT 16コア、32スレッドロック解除デスクトッププロセッサ。

費用: \50,980(2025/6現在)
AMD CPU Ryzen 9 7950X, without cooler 4.5GHz 16コア / 32スレッド 80MB 170W 3年保証 100-100000514WOF/EW

費用: \69,800(2025/6現在)
AMD Ryzen 9 7950X Box coolerなし 16コア32スレッド / 4.5GHz(Boost 5.7GHz) 170W 100-100000514WOF 三年保証 [並行輸入品]

費用: \75,981(2025/6現在)
参考:CPUの性能比較表
Intel
AMD
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