概要
データセンターなどの大容量トラフィックを遅延なく転送することが求められる場所で採用されることが多いCisco Nexusスイッチ。デフォルトのスイッチング方式はカットスルー方式が採用されています。ここではまず初めに用語の意味を抑えましょう。
カットスルー方式
・フレームの宛先ヘッダを読み取ると即座に出力ポートに送信を開始するため、遅延を抑えて転送することが可能。バッファ(キュー)にフレームを貯めないためです。
・しかしながら、フレームが欠損している場合やエラーがある場合には隣のNW機器にも転送されてしまいます。この時、欠損したフレームを受け取ったNW機器のI/FではStomped CRCというエラーカウンターが上昇します。
ストア & フォワード方式
・フレームを一時的にバッファリングして転送することで、フレームの誤り検出や修正ができます。
・一方で、バッファリングによりレイテンシーが増加するため処理時間が長くなります。ミッションクリティカルなシステムの通信が流れる場合は採用しない方が良いでしょう。
CiscoのNexusシリーズはデフォルトではカットスルー方式が採用されているためフレームの宛先ヘッダ=宛先MACアドレスを確認したら即座に送信ポートにフレームを送ります。一般的にはこのモードで使用されるはずですが、非常に特殊な事情でカットスルー方式を採用したくない場合にはスイッチング方式をIOSなどで採用されているストア&フォワード方式に変更することも可能です。使う人いるのかな…。
ということで、変更方法について紹介いたします。
スイッチング方式の変更方法
下記のコマンドを投入するだけで変更することが可能です。
conf t
no switching-mode store-forward
no switching-mode store-forward
また、元に戻す場合は下記のコマンドを投入します。
conf t
no switching-mode store-forward
no switching-mode store-forward
参考
what is CRC_STOMPED & CRC_NOT_STOMPED
Hi, what is stomped and not stomped? how it helps to troubleshoot CRC errors? Nexus-SW# show hardware internal big...
Cisco Nexus 9000 NX-OS レイヤ 2 スイッチング構成ガイド、リリース 10.3(x) - スイッチング モードの設定 [Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチ]
スイッチング モードの設定
ストア&フォワード方式、カットスルー方式、CAMテーブル
新米ネットワークエンジニアと共にシスコの認定資格「CCENT/CCNA」のポイントを学ぶシリーズ。今回のテーマは「データリンク層のフレーム処理」です。
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